双子島神楽歌の感想

2019.9.20 参加

双子島神楽歌(ハルカゲカグラウタ)

新宿にありますマーダーミステリー専門店『Rabbithole』さん(もうすぐ渋谷店・池袋店がオープンしますね)のこけら落としシナリオ。生まれて初めて遊んだマーダーミステリーでした。その分思い入れも深いです。

 

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双子島神楽歌(ハルカゲカグラウタ) | マーダーミステリー専門店 Rabbithole

 

あらすじ

太平洋沖に浮かぶ巫汰児列島(ふたごれっとう)の主島である二つの島、「陽島(はるしま)」と「陰島(かげしま)」。通称「双子島」と呼ばれるこの島で、七年に一度、四月の頭に行われるという珍しい神事の翌朝、巫汰児神社の社殿で、宮司である両儀尊流(りょうぎたける)と、地元有力者の舟護正造(ふなもりしょうぞう)、二名の遺体が発見された。そこに現れた、奇祭マニアで私立探偵の須藤崇法(すどうたかのり)は、島の神事を見学するつもりが、日付を一日まちがえて、今朝の船で島にやってきたらしい。須藤は、隣の陽島の駐在所に連絡を入れ、警官の到着を待つ間、神事に参加した人たちに話を聞くことにした……。

引用:双子島神楽歌(ハルカゲカグラウタ) | マーダーミステリー専門店 Rabbithole

 

初めて引用したけど、やり方は合っているのでしょうか。ドキドキです。間違ってたらそっと教えてください。

 

 

感想

ネタバレを避けると、とにかく「楽しかった〜〜〜〜!!!」の一言に収束されてしまう。でも本当に楽しかった。引いた役どころも良かったのかも。頑張ってネタバレを避けて、詳しい感想を書いていきます。

 

 

シナリオついて
  • 探偵役(確定白)有り
  • 全キャラクター嘘をついてよい
  • オープニング、エンディングにセリフ有り
  • チップを支払って探索
  • 全体の議論(前半+後半)で密談は自由
 

もうあらすじからドキドキしますよね!!私はした!!楽しみすぎて公式ページのあらすじを何度も繰り返し読みました。

双子島と呼ばれる離島、七年に一度の神事、地元有力者と宮司の死体、奇祭マニアの探偵は遅れてやってくる……。和風ミステリとしては王道のような舞台設定で、「私はいまミステリの登場人物になっている!!」とワクワクが止まらない。RPもたくさんできて、一緒に行った友人達以外は初対面の方達だったのにまるで昔から知っている人ように思えたのでした(役どころにもよると思うけど)。

狭い離島が舞台で人間関係も狭いわけですから、登場人物同士はだいたい知り合いなわけですね(探偵を除く)。そんな中でこれまた登場人物たちの見知った人が死体になってたわけですから、色んな思惑や、情だとか業だとかが交錯するわけですよ。それらは言ってしまえば"シナリオに書いてあるテキスト"でしかないんですが、登場人物の記憶や想いを不思議と、自然に自分のものだと思える。単なるゲームのプレイヤーとしてではなく、物語の登場人物としてその場に"いる"ってことを体験させてくれたシナリオでした。

もっと書きたい事たくさんあるのだけど、あまり突っ込んだことを書くとネタバレになりかねないのが難しいですね。

 

 

お店について

もうね、内装が雰囲気あって格好いいんですよ。お店に入った瞬間そこは影島なわけですよ(新宿です)。

室内もテーブルも申し分ない広さでストレス無く遊べるし、密談のアイデアも最高。密談スペースの扉が格好いいので、無意味に密談したくなってしまいます。調査に使うチップはお店のロゴが描かれた専用のもので、統一感があって素敵。うっかり飲み物を持ってくるのを忘れてしまったり、飲み干して空になってしまっても、店内でペットボトル飲料の販売もしていますから安心です。

調査をして得られる情報カードには絵が描かれているので視覚的にも分かりやすいのがgood。

ただ私は視力があまり良くないので、遠くに置かれたカードを読むには少し字が小さいと感じました(私にはね)。読みたいカードがある時は、持ち主のプレイヤーにお願いして読み上げて貰うか、貸して貰って手にとって読むといいでしょう。読み終えたらちゃんと持ち主に返してくださいね。

また、終了後にネタバレ感想掲示板とディレクターズカット版エンディングが読めるサイトの案内があるのですが、その時に貰えるカードがかっこいい!!ディレクターズカット版エンディングは心打たれる物語でした。帰りの電車でちょっと泣きました。それでも、私達のたどり着いた結末がトゥルーエンドなんだぞ!と今でも変わらず思っています。

専門店ならではのこだわりや配慮が見られる空間でした。オープン予定の他の店舗にも期待が高まりますね!

 

プレイングの話

一緒に行った友人が隠密(怪しまれないように振る舞うこと。勝手に私がそう呼んでいる)めちゃくちゃ上手かったんですよ。キャラクター名は伏せますが、友人はいわゆる「犯人じゃないけどすごく怪しいキャラ」みたいな奴だったんですね。そういうキャラって、だいたい犯人候補として名前を挙げられて苦しい思いをすると思うんですが、友人は最後まで微塵もそんな素振りを見せずに島から去って行きました。あまりにも見事な立ち回りで、すっかり騙されました。あんたが大将だよ……。

一方で、自分のプレイングには心残りがあります。もっとこうできた、ああできたはず……。1度しかプレイできないからこそ、1人反省会も捗ります。

気を取り直して、他のプレイヤーの良かった話を。このシナリオにはあらすじから分かるように探偵がいるのですが、私が参加した回の探偵さんがリアルに探偵だったんですよ(プレイヤーのリアルな職業が探偵というわけではない)。何が言いたいかっていうと、探偵さん役のプレイヤーがすごく優秀だった!不審な点にいち早く気付き、点と点を繋いで線にするような、そんな推理をしていたんです。GMも「探偵さんが優秀でした」と仰っていましたね。もう天晴れですよ。シナリオ自体の推理の難易度設定はそんなに高くないようですが、それでも凄かったし、気付きが早かったし、正確だった。

私達の回は推理に必要な重要な情報が伏せられたまま進行し、最後まで明かされることはなかった為、真相にたどり着けなかった人が多くいました。そんな状況でも、探偵さんは見事に真実に気付いていたようです。もしも、ミステリー作品の推理ショーよろしく自身の推理を披露し周囲を説得する時間があったならば、別のエンディングもあったのかもしれないなあ……と、IFに想いを馳せるのでした。

 

まとめ

私の回の参加者は、ほとんどが知らない者同士でした。始まる前は静まり返っていたのに、終了後の感想戦でワイワイ喋るあの感じがとても心地が良かった。私がマーダーミステリーの虜になった理由のひとつにして、大きな割合を占める部分だなあとブログを書きながら改めて思ったのでした。

初めてのマーダーミステリーでそんな素敵な体験ができたことを嬉しく思います。それはシナリオの持つ力でもあり、GMの手腕によるものでもあったと思います。

『双子島神楽歌』という物語の登場人物を演じるのではなく、登場人物としてその場に"いる"という不思議で素敵な体験ができます。ミステリー小説やドラマ・映画の中に入ってみたい人は、きっと素晴らしい時間を過ごせるはずですよ。

 

 

余談

そんな素敵な『双子島神楽歌』の作者の方が舞台の脚本を手掛けたようです。

舞台かあ〜〜と思うとハードルが高い人でも、謎解きバトル体感って思えばなんだか楽しそうじゃありませんか?

詳細はこちら↓

私自身は関係者でも回し者でもありませんが、拡散して話題になったら再演してくれないかなあって期待している部分があります。だって観に行きたいのにこの日程だと厳しいんだもん……!!

 

ちなみに謎制作のぺよん潤さんはモノマネ芸人さんであり、ロストプロダクトさんという団体で謎解きやマーダーミステリーの制作を手掛けている方です。

次回はそんなぺよん潤さんのマーダーミステリー『誰が勇者を殺したか?』の感想を書きます。(予定)